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若手経営者に聞く

株式会社シガドライ・ウィザース 田中 秀彦さん

 第一回目の「トップインタビュー」のコーナーは、株式会社シガドライ・ウィザースの田中秀彦さんに環境ビジネスやインフルエンザ対策などのお話を伺ってきました。

起業のきっかけについてお聞かせ下さい

 私はもともと、東京の生まれで東京大空襲をうけ父の郷里滋賀の醒ヶ井へ疎開してきました。結局そのまま滋賀にいることになり、奨学金を頂きながら学校を卒業し大和証券へ入社しました。入社当初はよかった証券業界も不況になり、ノルマ達成に四苦八苦というような状態になりました。そんな証券不況のなかでも何とか営業所の業績を残し生き残ることができました。一級支店幹部からもこちらにこないかと声をかけて頂いたのですが「他に転職してもどうせ宮仕え、同じ苦労なら独立を」と考え起業しました。

 ガリバー企業に戦いを挑むことは、当時の私では到底不可能と考え、丁稚奉公、徒弟制度などの制度がまだ残る洗濯屋さんに目をつけました。それでも暖簾と長年の信用は大きく、そのままでは「足下にも及ばない」と思い、私はお客様にお金を先に払って頂き、持ってきて、持って帰って頂くという厚かましいビジネスモデルを考え出しました。持ち込み、お引き取りはセルフサービスその上前金の先進的商法?は、とにかく世の流れに上手く乗って、今ではこれが当たり前であるかのように定着しました。

病院寝具へ目をむけられたのはどうしてですか?

 新規参入やバブルの崩壊で、価格競争の不毛の争いとなり市場が魅力的ではなくなったのです。そこで、リネンサプライを狙って病院寝具へ進出を図りました。しかし、そこは天下りが跋扈し、談合や入札妨害など大変な世界でした。

 欧米では羽毛寝具が常識で、患者用シーツ交換は毎日行うことが決められています。しかし、日本の病院では一週間に一度の交換で良いとされています。また、ベッドの衛生基準が全くなく、不衛生極まりない状態なのです。そんな中私たちはスリランカで天然ゴムの樹液を発泡させて、院内感染と床ずれを防止するマットレスを作り、全国に普及させているところです。

インフルエンザに係わるお仕事もされておられますね?

 今回の騒ぎの以前から、インフルエンザには注目しており、鳥取大学の研究センターの協力の下GZ-08というインフルエンザ対策液剤を開発しました。これはH5N3型鳥インフルエンザウイルスに対し感染価低下率99.9999%という驚異的な性能を発揮します。さらにこの商品の素晴らしいところは、食品添加物や化粧品 風邪薬の原料、ミネラル成分などから出来ており、高い安全性を誇るところです。

 これはインフルエンザだけでなく、ノロウィルスなどの色々な他の感染症にも効果があります。またウィルス自体に耐性を持たせないという特徴もあり、高く評価されています。今後は、この効果を患者のシーツマットレス、さらにパソコン用のキーボードなどにも取り入れることによって、高い感染予防を確立することができます。新薬としての認可をとって、人体に直接使用できるよう取り組んでいます。

信念を貫かれ仕事をされておられますが、どんな理念にもとづいているのでしょうか?

 お金儲けも大切ですが、最近は「自分が行っていることは正義か?」ということを考えるようになりました。莫大なお金を手にした人は沢山おられるが、儲けたお金を有効に使っている人は本当に少ない。私は出来るだけ有効に使っていきたいと思っています。

昨今環境に対する注目が集まっていますね

 若い子たちが、Uターンという名で田舎にもどって色々と活動したりもしていますが、一時的に注目されても1年後に見てみると、その活動が続いていることは希です。たとえば、里山というスタイルが注目されたりもしていますが、私が若い頃は確かに山から薪を取っておくどさんでご飯を炊くという生活スタイルがありました。その中で里山のモデルというのは生活の中で成り立っていましたが、現在にそのモデルをそのまま適用するのは生活スタイルそのものが変ってしまったため、現在ではとても続けていくことが不可能です。

 その新しいスタイルを作り出すために、私どもは「シガドライウィザースの提案」というものをさせて頂いています。

「シガドライウィザースの提案」とは具体的にはどのようなことでしょうか?

 いま、政権交代によって鳩山さんが25%のCO2削減を宣言されていますが、これは排出権を買って達成しても「お金持ちのやりそうなこと」と言って、世界は褒めてはくれません。本当にCO2削減をを達成するためには木を植えていかなければいけませんが、木を植えることで採算をあわせなければなりません。その為に私は小規模ですが今、スリランカでゴムの木を植えています。単純にゴムの木を植えるだけではゴムが市場に溢れ値下がりしてしまいます。それでは豊作貧乏になってしまいますので、そのゴムからエタノールを作る技術を開発しました。本来、糖分のないゴムからエタノールをつくることは難しいのですが、バクテリアを利用することでそれを可能にすることができました。

 そして、その農場を日本に作るのではなく、カンボジアで46万ヘクタールという規模でやりたいと考えています。その為には、国民一人当たり1年間に9,000円の予算が必要ですが、それを国が1〜2%ぐらいを引き受ける投資信託という形で実現することを目指しています。そして、カンボジアに緑が増え、人々の仕事ができ、エタノールが生産され、ゴムが売れる。日本はそこから排出権を得るような形でノルマを達成する。エタノールの加工も現地でやることで現地にお金がおちる。そうすることで教育などを受けるチャンスも増え、テロや戦争なども減らせればと思っています。

 こういった形のモデルの論文を「シガドライの提案」という形でホームページで公開したいと思っています。

 皆さんにお願いしたいのは、出来るだけ沢山の人がこの論文に対して、問題点を指摘して欲しい。そして、モデルをよりよいものにしていきたいと思っています。

最期に彦根についてお聞かせ願えないでしょうか?

 相当疲弊していると感じています。市は現実を見て、なぜ赤字財政なのかということを考えて欲しい。本来は若い人たちに稼いで貰って沢山の税金を納めて貰いたいのですが、若い人たちがやる仕事がない。しかし、市政のなかには、まだまだ無駄な部分が多く、そういったところを早急にみなおしてもらいたい。

 しかし、のぞみはまだあるとは思っています。ひこにゃんなど全国から注目されているという今の状況を利用し、彦根城に頼り切った観光の概念を改めて、例えば4月22日に毎年行われる多賀大社のお祭りなどを、もっともっとアピールするべきだと思っています。惰性で毎年同じことを繰り返すのではなく、つねに新しいこころみをしていってほしい。現在は商店街なども疲弊し、簡単にいま彦根をどうにかするといっても実際は「どうにもならん」というのが今の答えになってしまいます。

 それをどうにかなるようにするためには、「ありがたや隣の蔵が売れていく」という島国根性丸出しの足の引っ張り合いをやめて、みんなの力を合わせて継続していくしかないのです。

●株式会社 シガドライ・ウィザース
 〒522-0083 滋賀県彦根市南川瀬1547 
 TEL:0749-25-1393 FAX:0749-25-3214 
 e-mail:info@shigadry.com
 HP:http://www.shigadry.com/

編集後記
 田中さんのお話からは、強い信念と現実を強く見据えた力強いお話を聞かせて頂きました。環境に対する取組のあり方など、改めて考え直すべき点がよくわかりました。継続して続けていくことの大変さを改めて感じるインタビューでした。

2009/10/06 文責:奥村

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